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これまでの特集号リスト

2026年

26巻1号(2026年3月発行)

特集号テーマ

高分子材料およびその複合材料


〒338-8570 さいたま市桜区下大久保255

埼玉大学大学院理工学研究科
坂井 建宣

     Tel: 048-858-3444 E-mail: sakai【@】mech.saitama-u.ac.jp


Polymer materials and their composites

 軽くて丈夫な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に代表される高分子系複合材料が大型輸送機械,一般産業機械などの一次構造材や建築・インフラ構造物の補強材などに適用され,機械の運用時や構造物の製造・運搬・設置時における消費エネルギーの削減および排出ガスの低減が期待されており,最近はやりのグリーントランスフォーメーション(GX)の一躍を担っています.
 高分子系複合材料を再生可能な材料として利用するためには,できるだけ長く使い続け,使い終わった後は効率よくリサイクルやリユースを行うなどの工夫が必要になると考えられますが,そこには,効率の良い製造プロセス技術の開発,長期耐久性評価・設計技術,リサイクル技術,リユース技術などについての多くの課題が山積しています.これらの解決のためには,高分子材料およびその複合材料に見られる特徴的な力学的挙動である粘弾性などの時間依存性特性をはじめとする様々な現象を明確にするための実験力学をベースとしたアプローチのみならず,AIなどの新たな技術を導入したアプローチも必要と思われます.
 そこで上記課題と密接に関係する (1) 複合材料の力学的特性,(2) 複合材料製造プロセス・リサイクル,(3) マルチスケール解析,(4) 時間依存性特性評価法,(5) 複合材料の接着などに関して,これまでの実験力学の視点からのアプローチに加えて,新規なアプローチも探索しております.こういった課題の解決には様々な分野の研究者の知恵と技術の連携が必要です.新たな技術開発の第一歩として,多様な分野の会員の皆様にこの特集号に研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.

2025年

25巻4号(2025年12月発行)

特集号テーマ

再生可能エネルギー関連環境技術に関する最近の研究動向


〒599-8531 大阪府堺市中区学園町1-1

大阪公立大学客員教授
井口 学

     Tel: 072-247-6189 E-mail: gaku【@】eng.hokudai.ac.jp


Recent Developments in Environmental Technologies Related to Sustainable Energy

 二酸化炭素(CO2)放出による地球温暖化は両極地域における氷の急激な消滅と冬季の降雨,海流の勢いと方向の変化, 局地的な大雨と干ばつ, 大火災などの形で顕在化し, 動植物だけでなく,我々の生活に重大な影響を及ぼしている.例えば,我国の周辺では黒潮の勢いが増し,親潮の南下を妨げることによって生じた海水温の上昇が磯焼けを招き,漁獲量に大きな変化が出ている.CO2の排出量削減には化石燃料の使用量を減らすことが喫緊の課題であるが,最近,CO2排出規制に関する国際的な約束に逆行するような動きも出ており,予断を許さない.技術的な問題だけでなく政治的・経済的な要因が複雑に絡み合っている.我が国では2050年までにカーボンニュートラル達成を目指しているが,CO2の発生量を減らして零にするゼロエミッションを実現することは容易ではないことを改めて認識させられる.
 周知のように,CO2の排出量削減には,化石燃料とは異なり資源が枯渇せず繰り返し利用できる再生エネルギーを利用し,化石燃料の使用量を極力減らすことが肝要である.昨年の12月に発行された本誌特集号(24-4)「カーボンニュートラルへ向けた材料デザインの新展開」に掲載していただいた閑話でも述べたが,環境省の「再生可能エネルギー導入加速化の必要性」によれば,再生可能エネルギーとは「非化石エネルギー源のうち,エネルギー源として永続的に利用できると認められるもの」であると定義されている.具体的には(1) 太陽光,(2) 風力,(3) 水力,(4) 地熱,(5) 太陽熱,(6) 大気中の熱その他の自然界に存在する熱,(7) バイオマス(動植物に由来する有機物)の7種類が該当する.
 これら7種類の再生可能エネルギー利用技術について,現在活発な研究が行われているが,実現を急げば,ややもすると実利関連研究が主体となり,基礎研究がおろそかになるだけでなく環境への配慮が欠けることが危惧される. 特に,環境への影響を軽視すると,我が国の高度成長期に味わったように,我々の生活に大きく跳ね返ってくる.
 本特集号では,再生可能エネルギーに関する環境技術に関する解説,技術報告,論文の募集と銘打っているが,環境問題を直接取り扱っていない再生可能エネルギーの利用技術そのものに関する研究成果や一般のCO2削減技術に関する原稿も歓迎する.振るって投稿して頂きたい.特に,既存の概念を転換させるような画期的な要素技術に関する研究であれば,多少成果が不十分でも提言というような形でのご寄稿を希望する.
 再生可能エネルギーを効率的に利用し,我々の生活に安全に役立てるためには,基礎から応用に至る広い分野の研究者と技術者の連携が是非とも必要である.本特集号がその一助となれば幸いである.
 本特集号では,以下の項目に関連する技術の基礎,応用および環境問題についての原稿を広く募集する.皆様方の積極的な投稿をお待ちしている.(1)太陽光発電,(2) 風力 (水平軸風車,垂直軸風車,洋上発電等),(3)水力(波力発電, 潮流発電等),(4) 地熱,(5) 太陽熱,(6) 大気中の熱,その他の自然界に存在する熱,(7) バイオマス.
 なお,鉄鋼業などの大型工場における排熱利用技術についてもご寄稿頂きたい.この技術は地熱利用技術だけでなく他の熱利用技術に大きく寄与すると思われる.

  

25巻3号(2025年9月発行)

特集号テーマ

熱工学およびグリーン・トランスフォーメーション(GX:Green Transformation)関連技術


〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1

近畿大学 理工学部機械工学科
澤井 徹

     Tel:  06-4307-4727 Fax: 06-6727-2024 

    E-mail: sawai【@】mech.kindai.ac.jp


Experimental studies and technologies related to thermal engineering and green transformation (GX)

 現在日本を含む140ヶ国以上が「2050年までのカーボンニュートラル」を表明しており,世界中で脱炭素社会の実現に向けた挑戦が始まっています.国内では,産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会,産業構造を,クリーンエネルギー中心に移行させ,経済社会システム全体の変革,すなわちグリーン・トランスフォーメーション(GX:Green Transformation)の検討が進められています.グリーン・トランスフォーメーションに関する技術を俯瞰するために,2022年6月に特許庁が作成した技術区分表が,「GXTI (Green Transformation Technologies Inventory)」であり,GXTI は下記5つの技術区分で構成されています.

  1. エネルギー供給の視点(gxA)
    太陽光発電,太陽熱発電,風力発電,地熱発電,水力発電,海洋エネルギー発電,バイオマス,原子力発電,燃料電池,水素技術,アンモニア技術
  2. エネルギー需要の視点(gxB)
    建築物の省エネルギー化,コージェネレーション,下水・汚泥処理の省エネ,熱の電化,送配電・スマートグリッド,電動モビリティ,電力系統の需給調整
  3. エネルギー貯蔵の視点(gxC)
    二次電池,力学的エネルギー貯蔵,熱エネルギー貯蔵,電気二重層キャパシタ
  4. 非エネルギー分野のCO2削減の視点(gxD)
    バイオマスからの化学品製造,製鉄プロセスにおけるCO2削減,リサイクル
  5. 温室効果ガスの回収・貯留・利用・除去の視点(gxE)
    CCS・CCUS,グリーン冷媒

上記で示したGX技術には,「熱工学に関連する研究・技術」を基盤とする内容も多く含まれており,持続可能な社会の構築に向けて「熱工学」の役割は大きいと言えます.
 本特集号では,熱工学一般およびグリーン・トランスフォーメーション関連した研究の特集を企画いたします.この特集が,これからの熱工学に関連した技術開発の一助となることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.本特集号の主なテーマとしては,

  • 伝熱工学に関する実験技術
  • 燃焼工学に関する実験技術
  • 冷凍・空調工学に関連する実験技術
  • 再生可能エネルギーに関する研究
  • 省エネルギー技術に関する研究
  • エネルギー全般に関する研究

などに係る研究論文,技術論文,解説(展望)記事を募集致します.関心のある会員の方,ならびに非会員の方からも多数のご投稿を期待しております.

25巻2号(2025年6月発行)

特集号テーマ

人体の工学計測評価が役立つ医療・法科学分野


〒814-8514 三重県津市栄町1丁目100番地

三重県警察本部 刑事部科学捜査研究所
小倉 崇生

     Tel:  059-222-0110 Fax: 059-222-3483 

    E-mail: mppogura【@】gmail.com


Engineering measurement evaluation of the human body for medical and forensic sciences

 近年,加齢に伴う身体能力の低下の評価や病気などに起因する力学的現象の評価,また,労災事故・交通事故あるいは家庭内暴力及び児童虐待における科学捜査等の分野で,人体の工学計測評価が重要になってきています.
 加齢に伴う身体能力の低下は,主に筋力や可動域の低下によって引き起こされるものであり,日常生活動作から評価可能なこともわかってきています.また,医療において工学計測による評価が治療方針の参考になる事例も増えてきています.
 さらに,科学捜査の分野では,従来から,事件・事故の推定のため,人体損傷評価が行われてきましたが,虚弱な高齢者や生後間もない幼児が受けた虐待の立証(鑑定)のためには,より精度の高い人体損傷リスクの定量評価技術が必要となっており,特に裁判員制度の導入に加え,裁判において鑑定結果が数値的・統計的に検討される傾向が強まるようになってきたことによって,鑑定結果の妥当性を客観性かつ分かりやすく伝える技術も併せて求められています.
 このような人体に関する課題の解決には様々な分野の研究者の計測や評価技術の連携が必要です. 新たな技術開発の第一歩として,医療・法科学分野の会員の皆様に,この特集号へ研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が, 分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.

 本特集号の主なテーマとしては,

 身体能力・体力測定に利用される計測技術

 病気に起因する力学的現象の評価

 機械事故・交通事故における人体損傷

 人体損傷と外力あるいは殺傷行為の関係

 犯罪捜査のための凶器の殺傷能力と人体強度の定量評価

 疑似・生体材料の力学特性

 生活支援ロボットにおける安全対策

 などに広く係る研究論文,技術論文,解説(展望)記事を募集致します.関心のある会員からの多数のご投稿を期待しております.

25巻1号(2025年3月発行)

特集号テーマ

材料物性評価技術の温故知新


〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8

摂南大学 理工学部 機械工学科
三宅 修吾

     Tel:  072-839-9158 

E-mail: shugo.miyake【@】setsunan.ac.jp


Considering material characterization technology finding from the past

 エネルギー問題や地球環境問題などを背景とした科学技術イノベーションへの期待が高まる中,さまざまな分野で新しい工業製品が生み出され続けています.これらの製品には新たな機能はもちろん,性能向上・生産コスト低減などの効果が見込まれ,その付加価値の根幹を成す材料の創製や選択は従前以上に重要となってきています.材料開発において,その材料を知る(理解する)ためには物性計測とその結果を評価することが不可欠です.材料物性評価は,対象となる系に外部から何らかの刺激を与え,その応答や反応を観測することから始まりますが,その手法はとても多岐にわたり,また目的によって多くの計測技術を必要とします.
 ナノ・マイクロ機能物性材料分科会は特にMEMSデバイスや微小材料にフォーカスし,熱・機械・電気などの物性計測技術に関する議論を重ねてきましたが,振り返ると,これらに用いられている計測技術の根幹には,古くから使われてきた引張試験法・熱伝導率測定法・電気抵抗測定法などを基盤技術としており,バルク材料中の局所領域や薄膜・微粒子といったナノ・マイクロスケールに対応すべく創意工夫されてきた技術開発の成果であると言えます.しかしながら実社会において重宝されるのはこれら材料物性評価技術に支えられて完成した工業製品であり,材料物性評価技術は影の立役者になりがちです.
 そこで本特集号は「材料物性評価技術の温故知新」と題して,特に機械・熱・電気物性計測・評価技術の発展や進化に関わる研究論文を広く募集します.例えば,材料寸法や評価領域に限定された荷重・ひずみ・温度・速度の計測限界の克服,従来法を融合した複合動的計測技術など,古くから汎用的に使われてきた計測技術を基盤とし,最近の新しい材料への適用やこれまで観測できなかった領域や環境条件での計測を実現するために試行錯誤した物性評価技術に関する研究成果をご報告ください.また,これに限らず,新たなデバイスや材料創製を中心とした物性研究に関する論文も歓迎しますので,積極的なご投稿をお待ちしております.

2024年

24巻4号(2024年12月発行)

特集号テーマ

カーボンニュートラルへ向けた材料デザインの新展開


〒930-8555 富山市五福3190

富山大学 学術研究部 都市デザイン学系
小野 英樹

     Tel:  076-445-6876 

E-mail:  ono【@】sus.u-toyama.ac.jp


New developments in Materials Design and Processing forCarbon Neutral

 カーボンニュートラルの達成に向けて,持続可能な開発目標(SDGs)を意識した新しい材料開発・設計および製造プロセスの再構築が求められています.その実現のためには,構造材料の機械的特性のより一層の向上,材料の長寿命化,リサイクルしやすい材料設計が求められるとともに,触媒,電池材料,半導体などの新規機能性材料の開発が不可欠となっています。 材料製造には様々なプロセスがあり,カーボンニュートラルの実現や省エネルギー化のためには, 原料・燃料などで利用されている資源を大幅に見直す必要があります.また,新たな材料の設計およびそのプロセス開発のためには,使用する物質の静的・動的反応過程の解明と制御が重要な課題となります.
 それらの各種材料開発・設計と製造プロセスにおいて生じる物理化学現象の解明に向けて,これまでに蓄積されてきた材料学の知見とモデルシミュレーションを駆使して,さらに新たな評価・分析が進められるなど,現在,材料分野のカーボンニュートラルの課題解決へ向けた研究が多面的に展開されており,“材料デザイン工学”が発展を続けています.

本特集号では,上述の内容に関係する
 (1)脱炭素化・水素利用など地球環境保全のための要素技術,
 (2)材料製造プロセスにおけるCO2排出抑制技術,
 (3)材料製造プロセスに関わる熱力学・輸送現象論,
 (4)廃棄物を含む有価資源のリサイクル,
 (5)材料開発・設計に関する新規計測・解析・制御技術とシミュレーション,
 (6)各種材料設計・プロセッシングの基礎と応用,
などに関する内容の投稿を広く募集します. 関係各位からの積極的な投稿をお待ちしております.

24巻3号(2024年9月発行)

特集号テーマ

光学的手法および画像処理を用いた計測技術の発展とその応用展開


〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1

中央事業所

産業技術総合研究所 分析計測標準研究部門
産業技術総合研究所
李 志遠

Tel: 042-759-6207 

E-mail: ri-shien【@】aist.go.jp


Development and Application of Measurement Method Using Optical Methods and Image Processing Techniques

 光を用いることで,固体力学においては目視では見えない変位やひずみ,流体力学では透明物体の流れを可視化することができます.光学的手法や画像処理を用いた計測技術によりナノレベルの欠陥の観察から大型インフラ構造物の健全性評価までが可能になるなど,多種多様な測定対象への応用が報告されています.このように,光計測技術や画像処理技術は安全安心な社会の実現に大きく寄与できると期待できます.
 光学的手法や画像処理を用いた計測技術は,実験力学分野において広く利用され,長年にわたって発展してきました.光学的手法および画像処理による計測技術の発展が実験力学の発展を支えてきたと言っても過言ではありません.かつて,高速破壊のような複雑な現象の解明には光弾性法,コースティックス法,ホログラフィ法などが用いられていました.3次元物体内部の応力を知ることのできる技術は光弾性法だけでした.弾塑性破壊力学の発展にモアレ干渉法は大きく寄与しました.
 その後にデジタルカメラとパソコンの性能向上により,画像処理を用いて,ランダムな模様を利用して変位ひずみを測定する画像相関法(DIC)と,規則的模様を利用して変位ひずみを測定するサンプリングモアレ法(SM)はその測定の簡便さから固体力学に関する研究に多く利用されるようになっています.また,DICをCTなどにより得られた3次元画像に拡張したDVCにより,3次元物体内部のひずみ測定が可能になっています.同様に,格子投影と位相解析などの画像処理を用いた形状計測技術は高速・高精度な3次元計測法として実用化され広く利用されています.また応力発光塗料やPIVなども今後ますますの発展や応用が期待できます.これらの測定技術は,すでにナノレベルの微小な視野から橋梁などの大きな構造物まで様々な対象に応用され,今後さらなる発展が期待できます.加えてその応用展開は原子レベル以下の素粒子の最先端の基礎研究から宇宙分野の重力波検出まで幅広いスケールまでカバーできると考えられます(図1).

図1 光学的手法・画像処理を用いた計測技術の応用展開


ところで,最近では画像撮影時にカメラ固定という従来の概念を変えて,ドローン空撮を利用した画像変位計測や近年成長が著しい人工知能(AI)や生成AIを利用した画像解析,また将来的に普及する量子コンピュータを見据えて,量子ビットによる真新しい画像計測の可能性もあります.このように光や画像処理を用いる計測技術は基礎研究から実用検査まで一貫して重要な役割を果たしています.
 本特集号では,このような光計測技術や画像処理技術に関する研究,およびそれら技術を応用した研究の成果を募集します.光の反射,干渉,回折,散乱などを利用した計測技術や可視化技術,画像処理を用いた定量化や高精度化などが考えられますが,それ以外も含め様々な論文の投稿を期待しています.同様に応用の対象は固体の形状,変位,ひずみ,応力の測定,流体の流れの可視化,流速の測定などがよく見受けられますが,それにはとらわれず,幅広い応用範囲の論文を歓迎します.

24巻2号(2024年6月発行)

特集号テーマ

建造物とインフラ管理における計測技術


〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1

宮崎大学
工学部工学科
土木環境工学プログラム
森田 千尋

Tel: 0985-58-7324 Fax:0985-58-7344

E-mail:cgmorita【@】cc.miyazaki-u.ac.jp


Measurement technology in building and infrastructure management

 現在,日本各地において,高度経済成長期以降に建設されてきた建造物やインフラ構造物の老朽化が問題となっています.循環型・低炭素社会の実現に向けて,スクラップ&ビルドというフロー型社会から,省資源なストック型社会への移行が求められており,建造物やインフラ構造物の長寿命化に対して高い関心が寄せられています.また,2012年12月に発生した笹子トンネル崩落事故を契機とし,構造物の維持管理に関する情勢は急展開をみせました.それから10年,厳しい財政状況や熟練技術者の減少が進むなか,予防保全による事故の防止と構造物のライフサイクルコストの最小化を実現するためには,新技術を活用したマネジメントシステムの確立が必須です.さらに,IoT,AI,ビックデータ解析に代表される最新の情報技術は,メンテナンスサイクルの正確性,効率性を高めるとともに,余寿命予測技術,建造物やインフラに関わるビックデータに対するAI技術の応用技術などをベースに,予防保全の精度を格段に高めることができます.これにより,情報共通プラットフォーム構築やAI技術との融合によりSociety 5.0の実現に貢献することもできます.
 以上に鑑み,本特集号では建造物やインフラ構造物などの計測技術に関する特集号を企画しました.老朽化した構造物の維持管理に限らず,構造物全般の計測技術も広く募集しますので,奮って論文,技術報告を投稿していただきますようお願いします.

24巻1号(2024年3月発行)

特集号テーマ

実現象に潜む相似則の探索


〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1

近畿大学
理工学部エネルギー物質学科
渕端 学

Tel:  06-4307-3481 Fax::06-6727-2024

E-mail:fuchihata【@】emat.kindai.ac.jp


Exploring of scaling laws hidden in real phenomena

機器等の開発において,設計段階での性能予測は開発の時間およびコスト削減のため非常に重要である.近年では計算機の能力向上が著しく,設計段階において多くの物理現象の数値シミュレーションが行われている.しかし,数値シミュレーションは直接的には各種の支配式や化学反応式といった基本的な式を解くのみであり,複雑・複合的な現象については計算メッシュの量にまかせて再現されているように思える.これはこれで汎用的な解決手段であるという利点ではあるが,特定の物理法則に支配されている現象については冗長である.一方,江守一郎博士は実現象を観察することにより現象を支配している物理法則を仮定し,演繹的プロセスを適用して相似則を求め,模型実験により確認するという手法を提案された.この手法は現実のエンジニアの思考手順に親和性が高いほか,現象を理解しながら進めるため,どこかの段階であらたなブレークスルーにつながる可能性もある.さらに数値シミュレーションにおいても,実用計算では各種のモデルを利用することになるが,現状ではすべての現象を適切に再現できるモデルは無く,評価対象の再現に適したモデルを選択して運用されるのが常である.この場合において,現象を支配している物理法則の理解があれば適切なモデル選択の助けとなると考えられるなど,うまく運用できれば理想的である.江守博士は,「エンジニアリングは,実践的な工学問題に簡潔にしてある程度の正確さをもつ解を見つけるという芸術である」とも表現されており,模型実験手法の実践には現象の本質を見抜く洞察力が求められる.このためには,さまざまな現象の考察とその過程の蓄積が重要である.本特集号ではスケールモデリング分科会の企画として「実現象に潜む相似則の探索」と題し,さまざまなエンジニアリング分野における相似則やスケール効果に関する研究論文や解説記事を募集いたします.分野を横断した知見を共有することにより,皆様の分野において模型実験手法がさらに有効な問題解決法に発展することを期待しております.

2023年

23巻4号(2023年12月発行)

特集号テーマ

バイオメカニクスの新展開と保健・医療への活用


〒851-8518 新潟市中央区旭町通2-746

新潟大学
医学部保健学科
小林 公一

Tel: 025-277-0935
E-mail: kobayasi【@】clg.niigata.ac.jp


New developments in Biomechanics and its application to Health and Clinical Sciences

 生体における力学現象は枚挙に暇ありません.私たちは日々食物を噛み砕いて飲み込み,体重を支えながら姿勢を保ちつつ円滑に運動しています.その時体内では,血液が心臓というポンプで全身に送り込まれ,肺では気圧差によって呼吸が行われています.また,音波は鼓膜を振動させ,その振動は耳小骨のてこ作用で増幅されて,脳に伝達されます.バイオメカニクスは生体に適用される力学であり,このような現象を実現可能とする精緻なメカニズムをより深く理解するうえで多くの成果を挙げてきました.
 同時に,バイオメカニクスの活用として,保健・医療・福祉など人の健康に関わる分野における様々な課題の解決が挙げられます.実験力学が得意とする多様な光応用計測技術はもとより,X線やMRI,超音波等による医用画像を用いた生体内解析手法や,有限要素解析による数値シミュレーション,深層学習など人工知能の援用によって,疾患や損傷,機能障害の発生要因の解明とそれらの予防,診断,治療技術開発に関する研究が盛んに行われています.
本特集号では,生体における力学現象をマイクロ・ミクロならびにマルチスケールで計測・解析する手法,医療・看護・福祉など健康科学の発展に資する実験力学技術の応用,人工知能やデータサイエンスならびに数値シミュレーションを活用した情報解析技術に基づく新たな診断・予測技術について,その成果に関する研究論文を幅広く募集します.
 本特集号は,実験力学会の「バイオメカニクス分科会」ならびに「看護工学分科会」に所属する諸氏をはじめ,生体や医療に携わっている方々に深く関係する内容ですので,皆様の研究成果を論文や解説記事として広く募集いたします.多数の投稿をお待ちしております.

23巻3号(2023年9月発行)

特集号テーマ

流体工学の進展


〒305-8573 茨城県つくば市天王台1-1-1

筑波大学 システム情報系
文字 秀明

Tel: 029-853-5061
E-mail: monji【@】kz.tsukuba.ac.jp


Progress in Fluid Engineering

 流体の運動は非線形であるため,現象の理解や予測には実験が欠かせません.最近ではコンピュータの性能向上と共に数値流体力学が発達し,流れの予測が可能になってきましたが,実験での確認は依然,必要です.加えて,熱や物質移動を伴う流れや混相流など複雑系では,まだ解明できていない現象があり,実験による確認や流動機構の把握が望まれています.
 一方,画像処理計測に代表される様に,コンピュータや電子機器の発展に伴い新しい計測手法が開発されました.また,従来の計測手法も計測精度や空間・時間分解能が向上し,より詳細な流れの情報を得ることが可能となりました.その結果,今までには得ることができなかった実験データを取得できるようになり,それらに基づく考察がなされ,新しい研究成果が得られています.本特集号では,日々発展する実験手法や計測方法に基づく流体力学・流体工学の進展に焦点を当てて,その研究成果に関する研究論文を募集します.
 本特集号「流体工学の進展」は実験力学会に所属し,流体に携わっている研究者および技術者の方々のほぼ全員に適したテーマですので,この特集号を機に,創意工夫された実験や新しい計測手法を用いた実験に基づく皆様の研究成果を論文として投稿いただくことをお願い致します.

23巻2号(2023年6月発行)

特集号テーマ

高分子材料およびその複合材料


〒338-8570
さいたま市桜区下大久保255

埼玉大学大学院 理工学研究科人間支援・生産科学部門
坂井 建宣

Tel: 048-858-3444 FAX: 048-856-2577
E-mail: sakai【@】mech.saitama-u.ac.jp


Polymer materials and their composites

 現在,航空機など大型輸送機器に炭素繊維強化複合材料(CFRP)が多く使われ出しています.例えば,エアバス社A380などは,セントラルウイングボックス,尾翼,圧力隔壁など構造材料の約25%の35トンがCFRP化されています.また,近年着目されているグリーンコンポジットは,生分解性樹脂と天然繊維の組合せにより作製された複合材料であり,携帯電話・パソコンなど,低コストでリサイクル性が求められる機器に使用されています.このように使用の拡大が見込まれている複合材料ですが,大型構造物の低コストな成形法であるVaRTM法や大量に連続高速成形を可能とする革新的な製造プロセスの開発も盛んに行われております.また計算機能力の向上もあり,高分子材料およびその複合材料に関する分子レベルでの数値解析なども注目され始めています.
 高分子材料およびその複合材料において,特徴的な力学的挙動として粘弾性挙動などの時間依存性特性が発現することも知られております.この時間および温度に依存して変化する特性を計測する技術なども必要とされております.
 そこで上記課題と密接に関係する     

  1. 複合材料の力学的特性
  2. 複合材料製造プロセス
  3. マルチスケール解析
  4. 時間依存性特性評価法などに関して

 実験力学の視点からの新たなアプローチを探索しておりますが,こういった課題の解決には様々な分野の研究者の知恵と技術の連携が必要です.新たな技術開発の第一歩として,様々な理・工学分野の会員の皆様にこの特集号に研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が, 分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.

23巻1号(2023年3月発行)

特集号テーマ

環境関連サステナブル・エンジニアリングにおける最近の研究動向


〒558-8585
大阪市住吉区杉本3-3-138

大阪公立大学客員教授
井口 学

E-mail: gaku【@】eng.hokudai.ac.jp


Recent research trend in environment-related sustainable engineering

 戦後の高度成長期を経て大量消費時代に至り地球環境問題が強く意識されるようになった前世紀の末, 村上は地球環境問題を改善するためには, 日常的な小スケールの活動から改善を始めるべきであると述べ, この方向に沿った工学をサステナブル・エンジニアリング(持続可能な工学)と呼ぶことを提案しました (村上周三: 生産研究, 50-12, 1998, p.439). そして, 地球資源や環境に限りがある以上,「従来の工学が目標とした快適, 利便, 効率等をもたらす価値観と一致しない場合もあるが, “サステナブル”はこれらと共存してあらゆる工学が具備しなければならないあたらしい行動規範であると考える. 」と述べています. サステナブル・エンジニアリングを実現するためには, 西尾の指摘しているように (西尾成文: 生産研究, 52-3, 2000, p. 131), 我々の判断力に欠如があってはならないことは言うまでもありません. その後, 世界的な規模でこの趣旨に沿った活動が行われてきたことは周知のとおりです.
 サステナブル・エンジニアリング分科会では, サステナブル・エンジニアリングの提唱から20年を経た2019年に“持続可能な社会を実現するための環境関連技術”なる特集号を組み, 大気環境や水環境の保全技術はもちろん,ごみの焼却処理,再生可能エネルギーや省エネルギー技術といった幅広い分野の研究論文ならびに解説記事を募集しました.それから3年しか経っていないことでもあり, 本特集号では前回の募集要項を踏襲します. ただし, 持続可能な社会の実現には若い人への教育が欠かせないことから, この分野も募集要項に加えることにします. 対象とする分野の一例を以下に示します.   

  1. 環境プラントおよびそれに関連する燃焼や発電技術
  2. 大気環境における熱や粒子状物質の移動および環境保全に関連する技術
  3. 水環境および水資源に関連する保全技術
  4. 水力,風力,バイオマス,太陽熱,地熱等の再生可能エネルギーの利用技術
  5. 環境保全に関連するIoT等の技術
  6. 持続可能な社会を実現するための教育活動
  7. その他,省エネルギー,環境保全に関連する技術等.

 日頃の環境関連技術・教育に関する研究成果のご投稿をお待ちしています.
ふるってご投稿してください.

2022年

22巻4号(2022年12月発行)

特集号テーマ

熱工学・エネルギー関連実験・計測技術


〒577-8502
大阪府東大阪市小若江3-4-1

近畿大学理工学部機械工学科
澤井 徹

Tel: 06-4307-4727 FAX: 06-6727-2024
E-mail: sawai【@】mech.kindai.ac.jp


Experimental studies and measurement techniques related to thermal engineering and energy

 2021年に開催されたCOP26において、「脱石炭」の世界合意が行われました。地球温暖化の主要因とされる二酸化炭素排出に関わる化石資源の年間消費量(2019年)は、全世界で石炭37.5億toe、石油46.0億toe、天然ガス33.8億toeであり、世界の1次エネルギー消費量139億toeに対するそれぞれの割合は、27.0%、33.1%、24.3%となっています。一方、化石資源の単位熱量当たりの二酸化炭素排出係数は、石炭:石油:天然ガス=9:7:5の比率であることを考慮すると、化石資源から排出される二酸化炭素の約41%が石炭に由来している状況です。先ずは「脱石炭」が喫緊の課題となっている所以です。「脱石炭」さらには「脱炭素」が持続可能な社会の構築に不可欠になっていく中、化石資源に替わる燃料(水素、アンモニア、バイオ燃料等)による熱エネルギーの利用は今後も社会を支える基盤として存続していくと考えられます。
 再生可能エネルギーの導入に加えて、省エネルギーに関連した技術開発も重要であり、資源エネルギー庁、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では重点的に取り組むべき分野を特定し公表をしています(2020年)。熱工学・熱エネルギーに関する「重要技術」としては以下が公表されています。

  • エネルギー転換・供給部門
    地域熱供給、高効率加熱、熱エネルギーの循環利用、排熱の高効率電力変換、熱エネルギーシステムを支える基盤技術
  • 産業部門
    熱利用製造プロセス、IoT・AI活用省エネ製造プロセス
  • 家庭・業務部門
    高効率空調技術、高効率給湯技術、ZEB/ZEH/LCCM 住宅の設計
  • 運輸部門
    燃料電池自動車技術、内燃機関自動車/ハイブリッド車性能向上技術
  • 部門横断
    高効率ヒートポンプ

 左記で示した様に、再生可能エネルギーの導入、省エネルギー技術の進展は、持続可能な社会の構築に不可欠であり、これらを支える基盤分野として重要な「熱工学・エネルギーに関連する実験・計測技術」に関する研究の特集を企画いたします。この特集が, これからの技術開発の一助となることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.

 本特集号の主なテーマとしては,

  • 伝熱工学に関する実験・計測技術
  • 燃焼工学に関する実験・計測技術
  • 冷凍・空調工学に関連する実験・計測技術
  • 再生可能エネルギーに関する研究
  • 省エネルギー技術に関する研究
  • エネルギー全般に関する研究

 などに係る研究論文,技術論文,解説(展望)記事を募集致します.関心のある会員の方、ならびに非会員からも多数のご投稿を期待しております.

22巻3号(2022年9月発行)

特集号テーマ

人体の工学計測評価が役立つ医療・法科学分野


〒400-8511
山梨県甲府市武田4-3-11

山梨大学大工学部機械工学科

伊藤 安海

Tel: 055-220-8673 FAX: 055-220-8418
E-mail: yasumii【@】yamanashi.ac.jp


Engineering measurement evaluation of the human body for medical and forensic sciences

 近年,加齢に伴う身体能力の低下の評価や病気などに起因する力学的現象の評価,また,交通事故あるいは家庭内暴力及び児童虐待における科学捜査等の分野で,人体の工学計測評価が重要になってきています.
 加齢に伴う身体能力の低下は,主に筋力や可動域の低下によって引き起こされるものであり,日常生活動作から評価可能なこともわかってきています.また,医療において工学計測による評価が治療方針の参考になる事例も増えてきています.
 さらに,科学捜査の分野では,従来から,事件・事故の推定のため,人体損傷評価が行われてきましたが,虚弱な高齢者や生後間もない幼児が受けた虐待の立証(鑑定)のためには,より精度の高い人体損傷リスクの定量評価技術が必要となっており,特に裁判員制度の導入によって,鑑定結果の妥当性を客観性かつ分かりやすく伝える技術も併せて求められています.
 このような人体に関する課題の解決には様々な分野の研究者の計測や評価技術の連携が必要です. 新たな技術開発の第一歩として,医療・法科学分野の会員の皆様に,この特集号へ研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が, 分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.

 本特集号の主なテーマとしては,

 身体能力・体力測定に利用される計測技術

 病気に起因する力学的現象の評価

 機械事故における人体損傷

 外力と人体損傷の関係

 疑似・生体材料の力学特性

 事件・事故捜査のための凶器の殺傷能力と人体強度の定量評価

 生活支援ロボットにおける安全対策

 などに広く係る研究論文,技術論文,解説(展望)記事を募集致します.関心のある会員からの多数のご投稿を期待しております.

 本特集号の主なテーマとしては,

  • 伝熱工学に関する実験・計測技術
  • 燃焼工学に関する実験・計測技術
  • 冷凍・空調工学に関連する実験・計測技術
  • 再生可能エネルギーに関する研究
  • 省エネルギー技術に関する研究
  • エネルギー全般に関する研究

 などに係る研究論文,技術論文,解説(展望)記事を募集致します.関心のある会員の方、ならびに非会員からも多数のご投稿を期待しております.

22巻2号(2022年6月発行)

特集号テーマ

持続可能社会に貢献する微小領域での熱・機械物性研究


〒615-8577
京都市右京区山ノ内五反田町18

京都先端科学大学 工学部機械電気システム工学科

生津 資大
Tel: 075-496-6506
E-mail: namazu.takahiro【@】kuas.ac.jp


Nano/microscale thermal and mechanical property study for sustainable society

 現代社会において,石油資源枯渇化ならびに地球温暖化に向けた取り組みは産業上ならびに科学技術上の双方で不可欠です.例えば,内燃機関を持つ自動車の数はこの数年で減少の一途をたどり,代わりにエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV),燃料電池車(FCV)の割合が年々増加しています.これらの車には,電源ON-OFFを高速スイッチングしてインバーターを制御し,燃費改善に貢献するパワーコントロールユニットが搭載されています.パワー素子としてSi製のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)が使われてきましたが,更なる性能向上に向け,Siより耐熱性に優れ,かつ,低電力損失が期待できるSiC素子が研究開発されてきました.SiC製インバーターはSi製と比較して,2006年の時点で体積1/4,電力損失70%減を達成し,SiC素子自体の性能の高さは既に実証済です.しかし,実用には「高温動作に耐えうる接合技術が未確立」という極めて大きな課題が残っています.Si素子の接合にははんだを使ったリフローが使われていますが,SiC素子は300~350℃で動作しますのではんだを使うことはできません.加えて,リフローには数十分~数時間の比較的長いプロセスタイムが必要で,消費電力が必然的に大きくなります.省エネ・低CO2排出の観点からも,これからのEV・FCV用のSiCパワー半導体の接合技術のブレークスルーが急務の課題であることは言うまでもありません.
 このような自動車に係わる取り組みはほんの一例ですが,熱の制御や材料の開発ならびにこれらを融合させたような新たな研究領域にチャレンジすることは持続可能な社会を創り出すために大切な要素の一つです.とくに,これまでは必要性がそれほど高くなかった,あるいは,必要性は認識していたが技術的困難さ等の理由からなかなか踏み込むことができていなかったマイクロ・ナノサイズの微小領域での基礎研究はとくに重要な位置を占めるでしょう.マイクロ・ナノ領域での物理現象を正しく理解し,これを制御することは,これまで成しえなかった性能・機能を持つプロダクトの実現に繋がり,持続可能社会へのブレークスルーを生み出す可能性を大いに含んでいます.
 本特集号では,マイクロ・ナノ領域での材料やデバイスの熱物性・機械物性に関する研究論文を広く募集します.例えば,(1) 薄膜材料の機械物性計測技術,(2) MEMSを使ったナノ材料の機械物性直接計測技術,(3) 局所領域での熱物性計測技術,(4) 熱・機械物性のサイズ効果,(5) 破壊・疲労メカニズム,(6) ナノ化で生じる新現象,(7) 信頼性評価技術等のマイクロ・ナノ領域での実験力学研究が対象となります.しかし,これらに限らず,(8) 機能性材料の創製と応用,(9) マイクロアクチュエータ,(10) マイクロセンサ,等のものづくり研究も募集します.関連の研究を行っておられる皆様からの積極的なご投稿をお待ちしております.

22巻1号(2022年3月発行)

特集号テーマ

カーボンニュートラルへ向けたマテリアル設計・プロセッシング


〒930-8555 富山市五福3190

富山大学 学術研究部 都市デザイン学系

小野 英樹
Tel: 076-445-6876
E-mail: ono【@】sus.u-toyama.ac.jp


Materials Design and Processing for Carbon Neutral

 材料製造プロセスにおいてカーボンニュートラル,自然エネルギーの積極的利用,資源リサイクルといった持続可能な開発目標(SDGs)を意識した新しいプロセスの開発が期待されております.一方, 材料製造には様々なプロセスがあり,カーボンニュートラルの実現や省エネルギー化のためには, 原料・燃料などで利用されている資源を大幅に見直す必要があります.また,新たなプロセスを開発するためには,使用する物質の静的・動的反応過程の解明と制御が重要な課題であります. しかしながら, 各プロセスにおいて生じる現象は複雑であり, その理解のためには熱力学, 反応・輸送現象, 固体・流体物性を明らかにし,得られた各種の数値パラメーター利用したシミュレーションを行い,新たなプロセスを評価する必要があります.例えば, 鉄鋼・非鉄金属製造において生じる各種反応は, 溶融金属, スラグおよびフラックス, 溶融塩などの高温融体の物性(表面張力, 粘性係数, 密度, 熱容量, 熱伝導度, 拡散係数)が深く関係しており,その相互の関わりを数値化し,プロセス設計することが重要です.
 今後はカーボンニュートラルの実現へ向けて、新しい材料プロセスの発展を目指した“マテリアル設計・プロセッシング”の研究を遂行していく必要があり,そのためには,現状の各種プロセスで生じる現象を把握しなければなりません.
 上述の内容に関係する(1)脱炭素化・水素利用など地球環境保全のための要素技術,(2)材料製造プロセスにおけるCO2排出抑制技術, (3)材料製造プロセスに関わる熱力学・輸送現象論, (4)廃棄物を含む有価資源のリサイクル,(5)マテリアル設計に関する新規計測・解析・制御技術とシミュレーション, (6)マテリアル設計・プロセッシングの基礎と応用, などに関する内容の投稿を広く募集します. 関係各位からの積極的な投稿をお待ちしております.

2021年

21巻4号(2021年12月発行)

特集号テーマ

光および画像処理を用いた計測技術の発展と応用


〒252-5258 神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1
青山学院大学 理工学部 機械創造工学科
米山 聡
Tel: 042-759-6207 FAX: 042-759-6502
E-mail: yoneyama【@】me.aoyama.ac.jp


Development and Application of Measurement Method Using Optical and Image Processing Techniques

 光を用いることで,目視ではわからない変位やひずみや流れを可視化することができます.COVID-19の流行でマスクの材質やフェイスガードの効果に注目が集まっていますが,光を用いた実験を行えば実際の飛沫の状況を把握しそれらを評価できます.光計測や画像処理技術によりナノレベルの欠陥の観察から大型の構造物の健全性評価までが可能になるなど,多種多様な対象への応用が報告されています.このように,光計測技術や画像処理技術は安全安心な社会の実現に大きく寄与できると期待できます.
 光計測技術や画像処理技術は,実験力学分野において常に利用され発展してきました.言い換えれば,光計測および画像処理技術の発展が実験力学の発展を支えてきたと言っても過言ではありません.かつて,高速破壊のような複雑な現象の解明には光弾性法,コースティックス法,ホログラフィ法などが用いられていました.3次元物体内部の応力を知ることのできる技術は光弾性法だけでした.弾塑性破壊力学の発展にモアレ干渉法は大きく寄与しました.
 しかしながら,有限要素法などのシミュレーション技術の発展とともにこれらの測定技術は使用される機会が減り,実験があまり行われない時期がありました.そのような状況の中,徐々に進化してきたのが画像処理を用いたひずみ測定法である画像相関法(DIC)です.実験の重要性が見直されるようになった今日,画像相関法はその測定の簡便さから固体力学に関する研究に多く利用されるようになっています.また,DICをCTなどにより得られた3次元画像に拡張したDVCにより,3次元物体内部のひずみ測定が可能になっています.同様に,格子投影と画像処理を用いた形状計測技術は高速・高精度な3次元計測法として実用化され広く利用されています.サンプリングモアレ法によるひずみ測定技術は,すでにナノレベルの微小な視野から橋梁などの大きな構造物まで様々な対象に応用され,今後さらなる発展が期待できます.応力発光塗料やPIVなども今後ますますの発展や応用が期待できます.
 本特集号では,このような光計測技術や画像処理技術に関する研究,およびそれら技術を応用した研究の成果を募集します.光の反射,干渉,回折,散乱などを利用した計測技術や可視化技術,画像処理を用いた定量化や高精度化などが考えられますが,それ以外も含め様々な論文の投稿を期待しています.同様に応用の対象は固体の形状,変位,ひずみ,応力の測定,流体の流れの可視化,流速の測定などがよく見受けられますが,それにはとらわれず,幅広い応用範囲の論文を歓迎します.

21巻3号(2021年9月発行)

特集号テーマ

多様なマテリアルの強度および機能評価の基礎と応用


森 きよみ (多分野交流分科会・主査)

千葉 美麗 (多分野交流分科会・幹事)
池田 倫秋 (産業応用分科会・主査)
本間 克美 (産業応用分科会・幹事)

〒980-8575 宮城県仙台市青葉区星陵町4-1
東北大学大学院 歯学研究科口腔生理学分野 構造工学コース
千葉 美麗
Tel: 022-717-8292 FAX: 022-717-8292
E-mail: mirei.chiba.d6【@】tohoku.ac.jp


Basic and applied research to evaluate strength and function of various materials

 このたび2021年21巻3号(9月発行)特集号は,多分野交流分科会と産業応用分科会の合同企画です.この2つの分科会は,日本実験力学会の対象分野が拡大されるに伴い,学会内での研究者間で新たな連携が促進され,学術や技術の発展することを推進しております.
 多分野交流分科会では,専門分野を越えたさまざまな世代の会員に参加していただき,連携を深めることを目的としています.本企画では,多様なマテリアルの強度および機能評価に着目し,これを解明する基礎および応用研究に関する論文を広く募ります.大学,企業,研究所の研究者からの興味深い現象や結果の投稿が,将来の日本実験力学会での研究者間の有機的連携の促進につながることを期待しています.
 特に,少数派の女性会員においてはダイバーシティーの観点から,より多くの活躍を推進したく,積極的な投稿を期待しております.
 また,若い研究者・技術者のキャリアーを向上させる場の提供として,多くの若手研究者からの投稿を期待します.
 産業応用分科会は,大学の研究者と幅広い分野の企業の参画を得て,実験力学的手法の応用を推進しています.本特集号の企画による情報発信が,企業と大学の連携のきっかけとなって発展し,さらには産学連携支援や企業の参画,各種産業への応用に貢献することを願っています.
 実験手法は,初期現段階では単独の解析手法ですが,さらに発展することにより,個々の技術を融合させることにより合理的な新しい技術が創生されることがあります.このように実験室から生まれた基礎科学が,産業・工業現場における実用的開発へと発展し,我々の生活を豊かにしていくと考えられます.
 今回の企画のテーマは『多様なマテリアルの強度および機能評価の基礎と応用』です.
 今後の学会における新たな研究者の連携を促進し,エポックメイキングにつながることを目指して,本特集号を企画しました.多くの研究分野からの投稿を歓迎いたします.現在,掲載料割引のキャンペーン中です.奮って論文投稿していただければ幸いです.

21巻1号(2021年3月発行)

特集号テーマ

エネルギー回収を指向した実験力学


〒572-8530 大阪府寝屋川市初町18-8
大阪電気通信大学工学部 環境科学科
高岡 大造
Tel: 072-824-1131
E-mail: takaoka【@】osakac.ac.jp


Experimental Mechanics for Resource and Energy Recovery

 日本における資源の自給率は,石灰石が100%以外は,ほとんどを輸入に頼っています.例えば,エネルギー資源の自給率は2017年に9.6%と,2014年の6.4%からは,新エネルギーの開発などにより増加していますが,国際情勢の影響などを受けてエネルギーを安定して確保することが難しくなります.このような状況の中で,各所において,先端的な資源再生の技術開発が進められています.
 例えば,化石燃料の代替として注目される脂質含有量が多い海洋性微細藻類はその分離コストの高さから,実用レベルまでに解決するべき課題が山積です.このような問題を解決するために,大型の高性能な固液分離装置開発が望まれています.しかしながら,装置の大型化に伴い,振動の問題や流体制御の問題,さらには機械強度の問題などが顕著になることは自明であります.そのために,資源・エネルギー回収のための開発においても実験力学的な検討は必要不可欠であると言えます.
 その他にも,下水処理などで用いられ,膨大なエネルギー消費量が問題となっている活性汚泥法に代わって,微生物燃料電池の開発が進められています.これは,活性汚泥法が好気性の微生物の代謝を使っていることに対し,嫌気性の発電菌を使うことによって,水質の浄化と並行して発電も行うことができるものです.しかし,現状の発電量は有機性廃水1Lあたり約1W程度と実用化には程遠い段階にあります.このために,使用される電極材料や触媒,反応システムの高効率化など様々な観点から研究が進められています.
 こういった課題の解決には異なる分野の研究者の知恵と技術の連携が必要です.新たな技術開発の第一歩として,様々な理・工学分野の会員の皆様にこの特集号に研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮って論文投稿していただければ幸いです.


2020年

20巻4号(2020年12月発行)

特集号テーマ

工学研究における「相似則」の活用


〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200

中部大学工学部機械工学科

平沢 太郎

Tel: 0568-51-9791,FAX: 0568-51-1194

E-mail: txh【@】isc.chubu.ac.jp


模型実験の理論もしくはスケールモデリングは,工学研究において「相似則」を活用しようという試みに他なりません.模型実験理論の祖,江守一郎氏曰わく「エンジニアリングは,実践的な工学問題に簡潔にしてある程度の正確さをもつ解を見つけるという芸術である.模型実験理論は,この課題を完遂するための一手段である.エンジニアはサイエンスの基本原理を十分理解し,これを工学上の問題解決に応用できる能力を養うとともに,直面した問題をプロフェッショナルとして,簡明に正しく解けるような道筋をたてる勘を,養わなければならない.」とあります.
 模型実験理論はある特定の工学分野に限らず,広く工学の諸問題を解決する手段となります.相似則の発見は,現象がどのような物理法則によって支配されているかを明らかにすることにつながります.ここでいう相似とは,厳密な意味での相似ではなく,関心のある範囲内で本質的にその現象に関する相似を意味します.これまで相似則の活用例は,航空機,船舶,自動車などの輸送機械,橋,ビル,堤防などの構造物などの設計開発に多く見られます.固液二相流や地球科学,火災など研究での活用も見られます.これらにはスケールの問題もさることながら,計測方法の問題から模型実験への強いニーズがあったことが,従来の研究に多く見られる理由の一つと考えられます.計算科学の発展により,数値解析が有効な手段となってきましたが,模型実験理論には数値解析には真似のできない利点があります.それは,相似則を見出す過程を通じて,同時に現象を本質的に支配する物理量を見出すことができる点にあります.これにより,パラメータの変更が,ある影響に対してプラスかマイナスかいずれの方向に作用するかなどが一目瞭然となり,設計開発においては著しい利点となります.さらに一歩進めると,パラメータの1つを変える代わりに,別のパラメータを変えるなどの「相似則の活用」になります.単純な一例をあげるのであれば,レイノルズ数に基づく相似則から,流れの状態を模擬するために,スケールを大きくする代わりに流れを速くする,といったような活用方法です.
 これらの利点を踏まえ,これまで模型実験が実施されてきた分野に限らず,相似則をあまり意識することなく進められてきた工学研究においても,相似則の活用を考えるきっかけとなることを目指して,本特集号を企画しました.多くの研究分野からの相似則の活用例の投稿を歓迎いたします.奮って論文投稿していただければ幸いです.

20巻3号(2020年9月発行)

特集号テーマ

バイオメカニクスの展開


〒951-8518 新潟市中央区旭町通2-746
新潟大学医学部保健学科
坂本 信
Tel: 025-227-0963,FAX: 025-227-0963
E-mail: sakamoto【@】clg.niigata-u.ac.jp


バイオメカニクス(生体力学)とは,医歯学系の諸分野と力学系の諸分野を統合した学際的研究分野と定義できます.簡潔にいえば,生体や生体用材料に作用する力や運動を考究する学問のことです.
 バイオメカニクスの基礎研究分野としては,生体の細胞,組織および器官の力学的特性,力学的構造・機能の解明や生体材料の力学的適合性に関する課題が多い傾向にあります.また,バイオメカニクスは固体力学に関係したものばかりではなく,血管内の血流解析や循環器等の流体力学を基盤とした研究も多く行われています.これらの基礎研究から臨床への応用,すなわち,人間への 新たな診断技術や手術法の開発が望まれています.
一方,人間の動作を検討することで,巧みな生体機能を解明する研究も挙げられます.さらに,人間に限らず生物をバイオメカニカルな視点から解析することで,新たな材料や機械を生み出そうとする研究(バイオミメティクス)も進んでいます.
 バイオメカニクスに関する研究は,医師,歯科医師,生物学者,機械工学者,材料工学者等の知恵と技術の連携が必要です.新たなバイオメカニクスの展開として,様々な理・工学,医歯学分野の会員の皆様にこの特集号に研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな学問展開への足がかりとなることを期待しております.奮って論文投稿していただければ幸いです.

20巻1号(2020年3月発行)

特集号テーマ

時間依存性材料


〒338-8570 さいたま市桜区下大久保255
埼玉大学大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門
坂井 建宣
Tel:048-858-3444 FAX:048-856-2577
E-mail: sakai【@】mech.saitama-u.ac.jp


金属やセラミックのみならず高分子材料およびその複合材料などを用いた工業製品の長期信頼性を確保するためには,これら材料の機械的特性の時間依存性すなわち粘弾性・粘塑性・超塑性の評価やクリープ・応力緩和・疲労・衝撃など時間をパラメータとする力学現象や破壊機構の解明が必要不可欠となります.また,時間に依存して機械的特性が大きく変化する材料は,その成形方法によって機械的特性に大きな影響を与えることから,その材料に適した成形方法の検討も重要となります.
 顕著な時間依存性を示す材料の1つとして,例えば高分子材料および高分子材料を母材とした複合材料が挙げられます.特に近年,軽量化のために炭素繊維強化プラスチックを構造部材として用いる事例が増えてきており,エアバス社やボーイング社の最新航空機においては,機体総重量の50%もの炭素繊維強化プラスチックを使用しています.このようなことからも時間依存性材料の力学的特性の評価や破壊現象の解明,さらには評価された機械的特性や破壊機構にもとづいた長期耐久性設計手法の開発も重要となることが理解されます.
 そこで上記課題と密接に関係する時間依存性材料の力学的特性,特にクリープ特性から衝撃のような動的な特性に関する研究に関しまして,新たな視点からのアプローチを探索しております.こういった課題の解決には様々な分野の研究者の知恵と技術の連携が必要です.新たな技術開発の第一歩として,様々な理・工学分野の会員の皆様にこの特集号に研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮って論文投稿していただければ幸いです.

2019年

19巻4号(2019年12月発行)

特集号テーマ

持続可能な社会を実現するための環境関連技術


〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8
摂南大学理工学部機械工学科
植田芳昭
Tel: 072-839-9160
E-mail: yoshiaki.ueda【@】mec.setsunan.ac.jp


 2015年の国連サミットで,30年までに国際社会が達成すべき17の目標(持続可能な開発目標,Sustainable Development Goals: SDGs)が全ての国連加盟国により合意されたことは周知の通りであります.その中には,水や陸の環境保全,再生可能エネルギー,産業と技術革新の基盤の創成といった,環境関連技術が担うテーマも掲げられています.我が国における環境関連テーマには,周辺諸国から飛来するPM2.5の大気汚染問題,災害や老朽化による水環境問題,都市ごみや産業廃棄物の処理・処分の問題,温室効果ガスの吸着・排出・減容化の問題など,多くの技術的な課題が残されています.
 本特集号では,持続可能な社会を実現するための環境関連技術として,大気環境や水環境の保全技術はもちろん,ごみの焼却処理,再生可能エネルギーや省エネルギー技術といった幅広い分野の研究論文を募集します.
 本特集号で対象とする分野の一例を以下に示します.
(1)環境プラントおよびそれに関連する燃焼や発電技術, (2)大気環境における熱や粒子状物質の移動および環境保全に関連する技術, (3)水環境および水資源に関連する保全技術, (4)水力,風力,バイオマス,太陽熱,地熱等の再生可能エネルギーの利用技術, (5)環境保全に関連するIoT等の技術, (6)その他,省エネルギー,環境保全に関連する技術 等です.
 日頃の環境関連技術に関する研究成果の投稿をお待ちしております.ふるってご投稿下さい.関心のある会員の皆様からのご投稿をお待ちしております.

19巻3号(2019年9月発行)

特集号テーマ

社会基盤を支えるエネルギー関連技術


〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
近畿大学理工学部機械工学科
澤井 徹
Tel: 06-4307-4727
E-mail:sawai【@】mech.kindai.ac.jp


持続可能な社会の構築に向け,環境保全を念頭におきつつ,人類が必要とする水,食糧,エネルギー等の資源供給のあり方が検討されてきています.とりわけ,人類の社会活動の基盤となっている「エネルギー」は,地球温暖化問題とも結びつき,産業革命以降の大転換を迎えようとしています.一方で,再生可能エネルギーの導入と利用拡大,省エネルギー技術開発と導入,エネルギーキャリアとしての水素の利用,燃焼を伴わない燃料電池の普及等が,今後ますます進展していくと予測される中,多くの技術的課題が残されています.
 本特集号では,これからの社会基盤を支えるエネルギー利用技術として,主として熱エネルギーに焦点を絞り,再生可能エネルギーや省エネルギー技術はもちろん,エネルギーシステムに関係する要素技術や計測技術といった幅広い分野の研究論文を募集します.
 本特集号で対象とする分野の一例を以下に示します.
(1)太陽熱,バイオマス,地熱といった熱エネルギーが関与する再生可能エネルギーの利用技術,(2)省エネルギー関連技術,(3)熱エネルギーシステムに関係する要素技術(熱力学,伝熱,燃焼,混相流,化学工学等の分野),(4)エネルギー利用システムにおける計測技術・実験技術 等です.
 日頃のエネルギーに関する研究成果の投稿をお待ちしております.ふるってご投稿下さい.関心のある会員の皆様からのご投稿をお待ちしております. 

19巻2号(2019年6月発行)

特集号テーマ

社会に活かされる人体の力学評価


〒400-8511 山梨県甲府市武田4-3-11
山梨大学大工学部機械工学科
伊藤 安海
TEL:055-220-8673 Fax:055-220-8418
E-mail: yasumii【@】yamanashi.ac.jp


近年,高齢に伴うフレイルの問題や高齢者から生後間もない乳児まで、近年社会問題になっている家庭内暴力及び児童虐待における科学捜査等の分野で,人体の力学評価が重要になってきています.
 高齢に伴うフレイル評価については,投薬やリハビリなどの介入研究とともにフレイルの客観的評価が重要になりますが,握力測定のように簡便な測定方法は確立されていません.
 さらに,科学捜査の分野では,従来から,事件・事故の推定のため,人体損傷評価が行われてきましたが,虚弱な高齢者や生後間もない幼児が受けた虐待の立証(鑑定)のためには,より精度の高い人体損傷リスクの定量評価技術が必要となります.また,裁判員制度の導入によって,鑑定結果の妥当性を客観性かつ分かりやすく伝える技術も併せて求められています.
 また,機器の高機能化による事故増加への対応,介護ロボットをはじめとする生活支援ロボットにおける安全対策の観点からも,人体損傷の検証・評価技術の更なる進歩が求められています.
 このような課題の解決には様々な分野の研究者の知恵と技術の連携が必要です. 新たな技術開発の第一歩として,様々な医・工学分野の会員の皆様にこの特集号に研究成果を投稿していただきたいと考えております.この特集が, 分野の異なる技術や研究成果を融合させた新たな技術開発のきっかけとなることを期待しております.奮ってご応募していただければ幸いです.

本特集号の主なテーマとしては,
 フレイル・体力測定に利用される計測技術
 機械事故における人体損傷
 外力と人体損傷の関係
 疑似・生体材料の力学特性
 事件・事故捜査のための凶器の殺傷能力と人体強度の定量評価
 生活支援ロボットにおける安全対策
などに広く係る研究論文,技術論文,解説(展望)記事を募集致します.関心のある会員からの多数のご投稿を期待しております.

19巻1号(2019年3月発行)

特集号テーマ

マイクロ・ナノ材料の熱・機械信頼性


〒470-0392 豊田市八草町八千草1247
愛知工業大学工学部機械学科
生津 資大
TEL:0565-48-8121
E-mail: tnamazu【@】aitech.ac.jp


近年の半導体加工技術の進化は目覚ましく,米国Intel社は現在の10nmプロセスにおける問題を解決後はEUVリソグラフィを用いた7nmプロセスに着手することを表明しています.韓国のSamsung Electronics社はFinFETの後継アーキテクチャとされるGAA(Gate All Around)トランジスタを2021年に3nmノードで量産する計画を発表しており,ICの高性能化・高機能化に向けたチップパターンの超微細化はしばらく進むことが予想されます.
 進化を続ける半導体プロセスの恩恵を受け,マイクロ~ナノサイズの構造部材を持つ微小電気機械システムNMEMS(Nano Micro Electro Mechanical Systems)の実用化を目指す研究開発が進んでいます.1966年に上映された「ミクロの決死圏」は,医療チームが潜水艇に乗り込み,ミクロ化して患者の体内に入り込むことで病原体を治療するストーリのSF映画ですが,現代は,近年の半導体プロセスを用いれば,元祖マイクロマシンと評されるこの「潜水艇」に似たデバイスを「作る」ことができる時代です.しかし,血管内で赤血球に接触する程度で壊れる潜水艇では使い物にならず,実用化には「壊れない」NMEMSの開発が不可欠となります.つまり,材料のマイクロ~ナノサイズでの機械物性や電気物性を実験的に定量計測し,得られた知見を設計に反映させることが大切です.また,周期的外力印加に対するマイクロ・ナノ材料の耐久性や熱疲労等の実験的理解が長期信頼性確保の観点から重要になります.
 本特集号では,マイクロ・ナノ材料の熱・機械信頼性に関する研究論文を広く募集します.例えば,(1) 薄膜材料の機械物性計測技術,(2) MEMSを使ったナノ材料の機械物性直接計測技術,(3) 局所領域での熱物性計測技術,(4) 熱・機械物性のサイズ効果,(5) 破壊・疲労メカニズム,(6) ナノ化で生じる新現象,等のマイクロ・ナノ領域での実験力学研究が対象となります.しかし,これらに限らず,(7) 機能性材料の創製と応用,(8) マイクロアクチュエータ,(9) マイクロセンサ,等のものづくり研究も募集します.関連の研究を行っておられる皆様からの積極的なご投稿をお待ちしております.

2018年

18巻4号(2018年12月発行)

特集号テーマ

高温反応場におけるマテリアルプロセッシング


〒565-0871 吹田市山田丘2-1
大阪大学大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻
小野 英樹
TEL:06-6879-7479
E-mail: ono【@】mat.eng.osaka-u.ac.jp


材料製造プロセスにおいて省エネルギー化および環境負荷低減は重要な課題であり,これらに配慮した新しいプロセスの開発が期待されております. 一方, 材料製造には様々なプロセスがあり, その効率化のためには, 静的・動的反応過程の解明と制御が重要な課題であります. しかしながら, 各プロセスにおいて生じる現象は複雑であり, その理解のためには熱力学, 反応・輸送現象, 固体・流体物性についてそれぞれの研究の発展はもちろんのこと, 相互の関わりについても明らかにしていく必要があります. 例えば, 鉄鋼製造などの高温プロセスにおいて生じる各種反応は, 溶融金属, スラグおよびフラックス, 溶融塩などの高温融体の物性(表面張力, 粘性係数, 密度, 熱容量, 熱伝導度, 拡散係数)が深く関係しています. その相互の関わりの解明をはじめとして, 今後の材料プロセスの発展に向けた“マルチマテリアルプロセッシング”の研究が現在幅広く展開されています. それらの研究から得られている成果の中には, 一つの材料プロセスに限定されず広範囲の分野にわたって応用が可能なものも数多くあります.
 上述の内容に関係する(1)廃棄物を含む有価資源のリサイクル,(2)資源問題・炭酸ガス排出抑制など地球環境保全のための要素技術,(3)環境調和型新材料プロセス,(4)材料製造プロセスに関わる熱力学・輸送現象論,(5)反応プロセスの計測・解析・制御, (6)マテリアルプロセッシングの基礎と応用, などに関する内容の投稿を広く募集します. 関係各位からの積極的な投稿をお待ちしております.

18巻3号(2018年9発行)

特集号テーマ

実験力学における計測・データ処理の問題点・ノウハウ・工夫


〒680-8552  鳥取市湖山町南4-101
鳥取大学大学院工学研究科
小野 勇一
Tel: 0857-31-5193, Fax: 0857-31-5210
E-mail: ono【@】mech.tottori-u.ac.jp

〒252-5258 相模原市中央区淵野辺5-10-1
青山学院大学理工学部機械創造工学科
米山 聡
Tel: 042-759-6207, Fax: 042-759-6502
E-mail: yoneyama【@】me.aoyama.ac.jp


実験力学における研究・技術の発展においては,計測やデータ処理が不可欠です.新しいことをしようとすると,必ず新しい課題が見えてきて,それに対するノウハウや工夫も生まれてきます.
 本会では,毎年,分科会合同ワークショップと称して,実験力学における計測やデータ処理などに関する問題点・ノウハウ・工夫について意見交換をする場を設けてきました.
 2017年12月には和歌山県東牟婁郡那智勝浦町のホテル浦島において開催されました.そこでは,材料力学,バイオエンジニアリング,熱・流体力学などの様々な分野における研究成果,問題点について発表され,活発な討論が行われました.
 溯ると,2001年には和歌山県白浜町,2002年には福岡県春日市,2003年には岐阜県下呂温泉,2004年3月には東京(分科会合同講演会として開催),2004年には群馬県四万温泉,2005年には岡山県倉敷市,2006年には福岡県太宰府市,2007年には秋田県仙北市,2008年には新潟県湯沢町,2009年には北海道登別温泉,2010年には熊本県南阿蘇,2011年には鳥取県皆生温泉,2012年には新潟県十日町,2013年には兵庫県の淡路島,2014年には長崎県長崎市,2015年には福井県三国温泉,2016年には愛知県伊良湖温泉でそれぞれ行われました.2008年12月と2016年9月に発刊された「実験力学」において,それまでの分科会合同ワークショップに関連する内容で特集号が組まれています.
 前回の特集号に引き続き,2018年9月号の特集号としまして,本ワークショップに関連する内容を集めた特集号を募集いたします.
 今回の特集号では,論文になるものについては論文としてご投稿いただき,問題提起やノウハウ,工夫に関するものについては,技術報告や解説記事として広く募集いたします.
 2017年度に限らず,これまでの分科会合同ワークショップでご発表いただいた研究成果,課題,ノウハウ,工夫,さらにはその後に発展して得られた研究成果やノウハウ等,幅広く募集いたします.多くのご投稿をお待ちしております. 

18巻2号(2018年6発行)

特集号テーマ

強度に関連した機能性構造材料


〒719-1197 総社市窪木111
岡山県立大学 情報工学部 情報システム工学科
福田 忠生
TEL:0866-94-2087
E-mail: fukuta【@】cse.oka-pu.ac.jp


 機械・構造物を形成する構造材料は荷重を負担することが要求されるため,各種構造材料の開発では機械的強度の向上が主たる目的となります.しかしながら,構造材料には単に強度向上だけでなく,耐熱性,耐食性,耐摩耗性,加工性など様々な強度に関連した機能性を有する必要があります.そのため,バネ鋼や軸受鋼に代表される特殊鋼や耐熱金属などの非鉄特殊用途合金などが古くから研究されています.また,FRP に代表される複合材料も軽量かつ加工性を持つ高強度機能性構造材料といえます.
 近年では,JIS に規格されている現行材料を参考に,類似の添加元素によって強度を保ちつつ,鋳造性を向上させる Al 合金の開発や,単に合金元素を添加して機能性を向上させるのではなく,熱処理や後工程で構造用炭素鋼に加工性向上効果を付与する研究,製造工程での新技術を用いた耐衝撃性・耐久性を高めた樹脂材料開発など,これまでの知見と最新技術を融合させた材料研究が進んでいます.
 本特集号では鉄鋼・非鉄金属・樹脂・複合材料など材料の分野を問わず,幅広い分野から様々な機能性を有しつつ構造材料としての用途開発が進められている材料について,その強度特性や機能の有効性に関する論文を募集します.関係各位からの積極的な投稿をお待ちしております.

18巻1号(2018年3発行)

特集号テーマ

光応用計測における高精度化手法


〒910-8507 福井市文京3-9-1
福井大学大学院工学研究科知能システム工学専攻
藤垣元治
Tel/Fax: 0776-27-8050 E-mail: fujigaki【@】u-fukui.ac.jp

〒214-8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1
明治大学 理工学部 機械情報工学科
有川秀一
Tel: 044-934-7181 E-mail: arikawa【@】meiji.ac.jp


実験力学において計測技術は重要であり,とくに光応用計測は,高速・高精度・非接触で分布情報として3次元形状や変位分布,ひずみ分布などを計測できる手法として有効なものとなっています.光学的手法には,古くは光弾性法やコースティック法,スペックル干渉法,モアレ干渉法,ステレオ法,パターン投影法などが開発され,近年には,デジタル画像相関法,デジタルホログラフィ,サンプリングモアレ法など多様な手法が開発されています.計測対象物もマイクロの構造物から人体程度のサイズ,自動車程度のサイズ,宇宙構造物,インフラ構造物のような巨大なものまで,広く用いられています.それぞれの用途に応じて,その高精度化が必要となってきます.
 従来の光応用計測は,研究室の除振台の上の暗室で行う精密なものが多かったのですが,最近は応用範囲も広がってきており,工場現場や屋外などの振動下や昼間の炎天下で行う場面も増えてきています.このような外乱への対策により,計測環境が良くなくても高精度に計測を行う手法も必要となります.また,レーザー光によるスペックル干渉法やデジタルホログラフィのような干渉計測においても,スペックルノイズの対策方法などの研究も行われています.それ以外にも,撮像素子が持つノイズの対策やレンズの収差などの影響などの対策によっても高精度化を行うことができます.撮影した画像からだけでは精度よく解析できない部分について,数値解析と組み合わせることで高精度化を行う手法なども研究されています.
 本特集では,このように光応用計測を高精度化するためのさまざまな研究や技術について,論文や解説記事を広く募集いたします.多数のご投稿をお待ちしております.